日本三大峡谷と称される「黒部・下ノ廊下」の山行き記録について大量の写真とともに紹介する第3部。第3部では新沢越合流点から十字峡手前について紹介します。
断崖から連続落ちる滝、透明度が高く激しい流れ。黒部はリピーターが多いという話は聞きますが、こういった光景を見ると確かに再び訪れたいと思うのも頷けます。山の稜線で見る景色とは全く違う体験です。
足元を見てみると溶け残ったスノーブロック。10月の後半で溶け残っている分でこの厚さなので、冬はどれだけ降るかちょっと想像できません。初期に黒部川を遡った人たちは、冬季に谷に積もった雪を歩いて調査を行ったといいます。それにしても険しい斜面です。
この時間帯だと空を見上げてみると、少し晴れてきて山肌も美しいです。
登山道は写真の右側のような感じです。この辺は番線も設置されてなく足を置ける場所もあいまいです。。安易に平気だと思わず山よりを踏みしめて通行ししましょう。
設置されている橋は本当にありがたい存在です。しっかりと横木も打ち付けられており仕事の丁寧さが感じられます。橋の裏側は想像したくはありませんね。濡れている場合は滑りやすいので番線はしっかりと握った方がいいと思います。
右側に見えているのが歩道です。もちろん柵などありませんし、危険は危険なのですが高度感に慣れてきます。麻痺するといってもいいかもしれません。
谷が入り組んでいるので、木道の底部を覗くことができます。構造は丸棒を数本横に束ねて、岩の場に置いた丸棒の脚に置いています。接合は金属ワイヤーと木ネジ。場所によっては岩壁に打ち込んだアンカーにつないで固定されています。
手すりとなる番線は放さないようにした方がいいでしょう。
後続者がいたので、スノーブロックと比べてみます。車などよりはるかに巨大にです。年間を通して陽の光が届きにくい場所なんだと思います。上面は泥などで汚れていますが、下部は比較的綺麗な色で残っています。
対岸にも大きなスノーブロック。冬場は谷一面にこのような雪が敷き詰められるわけです。
技量があれば冬に来ても絶景なのだと思いますが、ハイキングではなく完全に冒険の領域になると思います。
広く見通しの良い場所に出ました。谷に沿った歩道はいつの間にか高度を上げています。足元を覗き込むのは自殺行為なのでやりはしませんが、歩道のすぐ側はこんな絶壁です。
阿曽原温泉小屋謹製「大ヘツリの梯子」。別に梯子を上らずとも通行できるのですが、毎年都度造作されているのでぜひ利用してみましょう。梯子は体感的にほぼ垂直な感じで、丸太は太く握りずらいです。見晴らしはいいのですが高所恐怖症の研究員は周囲の景色を楽しむ余裕はありませんでした。変わらず踏み外したら即死の路を歩いているのですが。
谷の側面を彫り込んで路が作られているのですが、本当にここが道を通すのに適切な場所だったかは疑問です。
谷に到着、谷に対して路から一度下り、また道に戻るため登り返します。大きな平地が確保できるので、谷の流れの少ないときは休憩場所として最適です。
谷は黒部川の曲がり角に位置しているため谷をゆっくり望むことができます。
谷を登り返した地点から黒部川上流側を見てみますと、「廊下」「水平歩道」の意味がよくわかります。
谷から少し歩いて振り返ると岩塊が
先行者さんをモデルに写真を撮らせてもらいます。舗装して柵などが設置されれば観光地として人気になりそうですが、アクセスの起点となる公共交通機関からの距離があまりに長いのが難点です。また、完全舗装したら黒部川愛好家からものすごい文句が出そうです。
川には巨岩がごろごろ転がっています。どのように山肌から分離したか想像すると、山は生きているのだと実感します。
白竜峡に着きましたが、川が狭窄し流れが複雑になり、川が泡立って白くなっていますが竜には見えません。
下流側に回って見てみると何となく竜の頭に見えます。
景色は綺麗ですが、相変わらず路は険しいです。下流に向けて角度があり、浮石はほとんどありませんでしたが、ゴツゴツした岩場であり、一歩一歩考えて歩かなければならない状況でした。ある方は黒部を歩くと、ガレ場での足の置き方を考える時間が短くなると仰っていおり、それもあながち間違っていないのかもと思います。
ルート途中には整備用の装備や資材が仮置きされている場所見かけることがあります。広い平地であること多いので休憩場所として最適です。
写真では少し流れが速い川くらいの認識しか持てません。気温も暖かく、ハイキングには最適な日です。
一方で路を側面から見てみるとここでも結構な高度を歩いているのが分かります。
路自体は整備されていますが、すべてが整備された観光地と違いカメラの写界にいろいろなものが映り込みます。広角側で撮影する場合は注意が必要です。
上を見上げてみると落石の危険が頭を過ります。いつ、どんな落石が起こっても不思議ではありません。歩いているといろいろ麻痺してきますが、山では危険はいつも隣にいます。知らぬが仏は本当です。
所々沢が存在し、植生が茂っていない場所があります。土が流出しているのでトレースを見落としやすくなっています。植生がないので、足元が不安定になりがちで落石の危険があります。
曲がった谷の向こう側が十字峡です。上流部に比べ山の斜面の斜度が緩くなり、大きな木々が茂っています。安心感生まれるのですが、安全ではありません。
続きは第四部で。
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